■「シビル・ウォー」
(脚本/マーク・ミラー 作画/スティーブ・マクニーブン)
世界を激震が襲った。一つの悲劇をきっかけに、合衆国政府は超人登録法を可決。
全てのスーパーヒーローに対し、正体を明かすよう迫った。
登録法への対処を巡って二つに割れたヒーロー達は、ついに苦渋の決断を下す。
それは正義を志す者達が二手に分かれて相争う、シビル・ウォー(内戦)への茨の道だった……。
WHOSE SIDE ARE YOU ON? ──────────君はどちらに付く?(巻頭紹介より)
若手ヒーローチーム、ニューウォリアーズとヴィランとの戦いの影響で一般市民に大きな犠牲を出した「スタンフォード事件」をきっかけに、ヒーローを政府の管理下におく法律が施行されます。
それはヒーロー達に政府への登録(つまり自分の正体を明かし)と適切な訓練を義務化し、SHIELDの為に働く事で給与も出る、一種の「ヒーローの公務員化」とも言うべきものですが。
登録はヒーローとしての責任ある義務であると考え、自ら主導して法案を成立させるアイアンマンと、ヒーローはあくまで政治から独立したものであり、倒すべきヴィランを政府が決めるべきではないと考えるキャップとで対立。
反対派を狩り立てる賛成派と、地下に潜伏し抵抗する反対派と、多くのヒーロー達を巻き込んで泥沼な内戦に発展していきます。
紹介文読んでの通り、内容はシリアス。ギャグ要素はほぼ無いです。俺ちゃんも出ないしな!!(笑)
あと内容が内容だけに登場人物は凄く多いです。ヒーロー&ヴィラン合わせて100人以上との事で…
冒頭部分に各キャラの簡単な紹介文がついてました。
その分、最終決戦で両陣営が勢揃いするシーンは圧巻だった!(これでも全員じゃないんですが…)
っていうか…これパッと見で全員分かる人おるんかな……w
スタンフォード事件によって、市民の間にあったヒーロー達の力への恐れが、一気に噴出した形で……
周りに危害を及ぼす程の超人的な力を持つという点では、ヒーローもヴィランも変わらないという事でしょうか…。
政府への登録制は、特にマスクなどで正体を隠して活動するヒーローにとっては究極の選択なわけで。
スパイダーマンのようにマスコミの前でマスクを脱いで正体を公表する事を選ぶ者、ファルコンのようにキャップについて行く道を選ぶ者、ドクターストレンジやX-MENのように中立を守る者、どちらにつくか決めかねて迷う者…。もう、泥沼ですね…。
不穏すぎるデアデビルのセリフ………。
1コマ目のキャラはナイトホークというヒーローです。自分もこれで初めて知ったけどw
ちなみに、ディスウォではジャイアントマンとして登場したピム博士ですが、シビル・ウォーでは
イエロージャケットという別の名前のヒーローとして出てきます。ちなみに賛成派。
原作のピム博士はアントマン→ジャイアントマン→ゴライアス→イエロージャケットと……
名前とコスチュームの変遷が激しいようでw
作中ではゴライアスというキャラクターも出てくるんですが、こちらはピムから能力を受け継いだ別人です。………ややこし過ぎるわ!!
そのゴライアス、作中で反対派として戦う中死亡するんですが…ここがヒーロー達にとっては
ある意味ターニングポイントになります。実は結構重要人物だったり。
彼の死をきっかけにスパイダーマンは賛成派から反対派へ、上に出てるナイトホークは反対派から賛成派へ転向する事になります。
この作品、読者の間では賛否両論あるみたいなんですが、自分的には良かったです。
アイアンマンとキャップそれぞれ汚い手も使ってくるのですが、お互い自分達なりの正義を貫いた結果であり。ヒーローとは何か、何を守るために在るのか……双方の主張がそれぞれ正しさを持っていただけに、考えさせられるストーリーでした。
あとアートがとても綺麗で、絵だけでも十分読み応えありました。
登場人物の多さもありますが、とにかく全部のコマの密度が凄くて見入ってしまったです。
巻末に各章の扉絵の線画?みたいのもあってオイシイ感じ。かなり緻密に描き込んであるので、もうちょっと大きく載せてくれれば嬉しかったけどw
* * *
■「マーベルゾンビーズ」
(脚本/ロバート・カークマン 作画/ショーン・フィリップス)
我らがマーベルヒーローがゾンビになったぁ!?
彼方より飛来した未知のウイルスにより、地球の平和を守ってきたヒーロー達は人肉を喰らう
モンスターと化した!
瞬く間に文明を崩壊させた彼らは、喰らうべき人間のいなくなった世界で凄まじいまでの飢えに
悶え苦しむ。
その時、光を失った彼らの目が、空を滑る銀色の人影を捉えた。
宇宙魔神ギャラクタスの先触れたるシルバーサーファーの姿を!
耐え難い渇きに衝き動かされ、僅かな肉を巡って骨肉と脳漿をまき散らすかつての英雄達。
この地獄絵図の先に待つ世界の運命とは……。
これ読んだ順番で感想書いてるんですが、シビル・ウォーでしんみりした気分が一気に吹っ飛んだw
本国では人気シリーズだそうで続編も出てるらしく。ってアメリカどんだけゾンビ好きだよ!!(笑)
ゾンビですので全体的に絵づらはグロいです。
ゾンビ化してるとはいえヒーロー達の能力はそのままなので余計タチ悪いwそりゃ人類勝ち目ないよ!
ヒーロー達は食べた直後は軽口言い合ったりする余裕もあるのですが、飢えると我先に獲物に群がり、共食いまでしかねない勢いで…もはやヒーローとしての面影ゼロw
でもホラーというわけではなくて(グロくはあるけど)、結構ギャグ飛ばしあってたり、「動くのに邪魔だから(折れた足)もいじゃえー☆」みたいな、ゾンビならではのネタもあったりして、ネタとして割り切って読めばこれはこれで面白いかもw
数少ない非感染者のマグニートーやブラックパンサーなど、生き残った者たちも必死の抵抗に出ます。
ブラックパンサーがカッコ良かった!登場時の姿がちょっと(というかかなり)グロいけどカッコ良かったよ!
ちなみに、紹介文に名前が出てるギャラクタス(左)とシルバーサーファー(右)。
紹介によればギャラクタスはビッグバン以前の宇宙の生き残りで、惑星を喰らう宇宙魔神だそうで…。
惑星を食うだけあって超デカイです。巨大化したジャイアントマンより更にデカイ!
ていうか、今の地球なんて食ったら絶対お腹壊すと思うんですがwwそのへん大丈夫なのか(笑)
シルバーサーファーはギャラクタスの部下で、主人の糧となる惑星を探して宇宙を旅してるんだそうです。
ビジュアルがX-MENのアイスマンそっくりですが…w乗ってるのがボードか氷かで見分けよう!
地球にも元々ギャラクタスの先触れとして現れましたが、後に反旗を翻し、地球に味方する
ヒーローになってるそう。(この作品ではまだ先触れみたいですが)
でもそんなギャラクタスの事も「デカイ獲物が来た」としか思ってないゾンビ達…w
怖いよぉ……!!
* * *
■「デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス」
(脚本/ヴィクター・ギシュラー 作画/ボン・ダゾ他)
冗舌な傭兵、我らが“デッドプール"がサベッジランドの密林の中に墜落した!
彼には、ここで果たさなければならない任務があった。
それは、世界の破滅を目論む犯罪結社AIMのために、究極の生物兵器を持ち帰ること。任務の報酬を
手にするためには、ライバルであるテロリスト組織ヒドラの兵士たちを出し抜かなければならない。
ようやく目的の生物兵器にたどり着くことができたデッドプールは衝撃の事実を知る。彼が持ち帰るべき生物兵器とは、ベラベラしゃべって、脳をムシャムシャ食べるゾンビ・デッドプールの頭部(ヘッドプール)だったのだ!
デッドプールとヘッドプールの珍道中が始まった!!
こないだ買った「スーサイド・キングス」に先立つ、デッドプール邦訳本第一弾ということで。
とにかく分厚い!300ページ以上あります。約200ページな「シビル・ウォー」より厚いって……w
サブタイの「マーク・ウィズ・ア・マウス(冗舌な傭兵)」の通り、ずっと喋りまくってます。
一人でも十分うるさいのに、更にヘッドプールも加わってうるささ二倍(笑)
行動を共にするAIMの科学者ベティと工作員ビルもいい味出してたw
「スーサイド~」でもそうでしたが、最初から最後までノンストップで俺ちゃんワールドです。
読者サービスだって忘れない!!
俺ちゃんのカッコ良さもさることながら…ビルのドヤ顔www
ヘッドプールは上に書いてるゾンビーズの世界から迷い込んできたのですが、デップー達は彼(?)を元の世界に返そうと、ヒドラやAIM、恐竜や原始人と戦いを繰り広げます。
「スーサイド~」以上にハチャメチャなストーリーやな…w
その中でゾンビーズ以外の平行世界にも行くのですが、その世界でのデッドプールっていうのが…w
SHIELDの少佐だったり女体化(マジです)してたり……デッドプール&ヘッドプール&平行世界の
デッドプールという、まさかのデップー×3という夢の競演が実現します。
とにかくスケールでかい!もうこんな事できるのデップーしかいないよ!!(笑)
物語後半では、ヘッドプールの故郷(?)ゾンビーズ世界で派手に冒険繰り広げます。
ゲストキャラもまた豪華で!
保安官なフューリーとか賞金稼ぎなウルヴァリンとか、政府の犬呼ばわりなキャップとかww
俺ちゃんワールド、何でもアリだね!
絵はパキッとした線で、アメコミって感じ!(何じゃそりゃw)
ただ途中でアーティストが変わって作風もガラっと変わるので、最初ちょっと戸惑いましたw
でも平行世界ごとに作風変わる演出は面白いと思ったです。
デッドプール本の邦訳、来年一月に新しく出るらしいんですが…うーん、迷う……!!
とまぁ、まだ語り足りない気分ですが…ひとまずこの辺でー!
流石の
スミス様